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絶対可憐チルドレン

 週刊少年サンデーで椎名高志が短期集中連載中の、エスパー少女漫画である。

 元来、【切ない系超能力少女萌え】を自認する荻木の事。
 以前にサンデー超に掲載された読み切り版も当然チェックしていた訳だが、その時からイマイチ乗り切れないものを感じていた。
 作者本人のHP上の発言によると「美少女育成モノ」との話であったが、なるほど3回目まで来るとその意味も見えてきた気がする。

 ――和沙結希という超能力少女キャラがいる。

 『妖精作戦』シリーズ。 もう20年も前の朝日ソノラマ文庫の小説のキャラだ。
 後に『ARIEL』や星雲賞を受賞した『彗星狩り』を書いた笹本祐一氏のデビュー作である。

 (ちなみに最近刊行された『ライトノベル完全読本』によると、あの秋山瑞人の『イリヤの空、UFOの夏』はこれへのオマージュになっているとある。
  真偽の程は知らないが、イリヤを読んでいて妖精作戦を思い出したのは確かだ)

 和沙結希はシリーズ三冊目から登場する、敵対組織に属するエスパーである。
 その能力は【サイコクラッシャー】。
 爆薬も酸素も必要とせず、ただ物質を爆発させる能力だ。

 だがしかし、ほんの数年前までは、彼女は特A級のテレパシスト(精神感応能力者)であったという説明がなされる。
 あるとき突然その能力が変質し、テレパスとしてはC級に、代わりにサイコクラッシャーとしての能力が発現。
 そのあまりの破壊力に、組織は初めて能力を抑える方向の訓練を行ったという。

 そのきっかけは何だったのか。
 テレパスで居られなくなり、その能力がただ破壊にのみ転化されるような何か。
 無口な文学少女然としたショートカットの美少女が、一体どんな悲しい想いの果てにそんな結末を迎えたのか。

 超能力少女の中でも特にテレパス少女に萌えるという人は、大抵その悲劇性に萌えるのではないかと思う。
 人を好きになっても、その人が自分のコトをどう思っているか、見えてしまう。
 親や兄弟ですら、自分のそのサトリの能力を恐れて、まっすぐに向かい合ってはくれない。
 そんな悲しい想いの中で暮らし続け、人と触れ合うことを恐れる少女。
 
 だが、無神経でぶっきらぼうなのに意外とやさしい少年との出会いが、彼女の心を解きほぐしていく。
 そんな救いにこそ、そしてそれにおそるおそる応えていく少女の微笑みにこそ、僕らは萌えるのだ。

 そんな訳で、彼女は20年の時を超えてなお、荻木にとって超能力少女萌えの最高峰に位置するキャラクターである。
 (別れが別れだけに、という説もあるが(泣) )


 だが、「純情可憐チルドレン」に登場するテレパス少女、三宮紫穂はどうだろうか。

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 知人のM原氏が、第一話で私がハマるであろうシーンとして、紫穂がナースの手を握ろうとして拒絶され、直後に主人公に自然に手を取られて微笑むシーンを予想した。

 確かにシチュエーション的には大好物だ。
 だが、描写に違和感が有って乗り切れなかった。

<本編>
・次の診察に呼ばれて、紫穂、自分からナースの手を握ろうとする。
 → 触れた瞬間、びくっ、と拒絶するナース
 → 無表情に手を退く紫穂
 → そんなコトに気づかず無造作に紫穂の手を取って歩き出す皆本
 → 一瞬きょとん、とするが、複雑な微笑みを浮かべる紫穂

 ステレオタイプな悲劇系テレパス少女であれば、自分から触れようとはしない。
 してはいけないのだ。
 なぜなら彼女は、他の誰よりも心を覗いてしまう事を恐れているはずだから。

 よって、私にとって理想のパターンは

・次の診察に呼ばれて、紫穂、ナースが差し出した手をつい握ろうとする。
 (気づいて一瞬躊躇して、それでナースがはっ、として手を退くともっと良い)

 からスタートしなければならなかったのだ。
 自分から、ではなく、差し出された手を。 <【これ重要】


 だが、3話目にしてやっと理解した。 (ええ、私、読解力ないんです)

 彼女達は、自分達の力とちゃんと向かい合っている。
 それを負の要素としてしまわない為に、これは良い能力なのだと自分に言い聞かせている。
 だから、彼女達は他人を傷つける事をいとわないし、心を読む事を恐れないのだ。
 心が読める事が、他人が自分を恐れる事が自然だからこそ。
 それが当たり前の10年を過ごしてきたからこそ。
 だからどうした、と。 そう考えてしまうのだ。
 考えようとしてしまうのだ。

 でも、3人だから。
 仲間がいるからこそ、そして理解者(主人公)がいてくれるからこそ、彼女達は笑えるのだ。
 そんな自分達を閉じ込めようとする全てに、子供っぽく反発しながら。
 それはまだ本当の意味での挫折、衝突、悲しみを経験していないからなのかもしれないけれど。
 だからこそ、10年後のあの未来予知があるのかもしれないけれど。

 彼女達を、僕らが求める悲劇の超能力少女に【 し な い た め に 】、この漫画は進む。
 
 萌えだけで、自分の萌えにだけ忠実に、作品を追い求めてはいけないと。
 なるほど、と思った荻木でありました。

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